オープンリールデッキの録音再生ハイファイ堂メールマガジン第780号大須本店

オープンリールデッキの録音再生
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こんにちは、商品部の滝本　豊です。ジャンク販売品をホームページにアップしている中で特に感じるのが、オープンリールデッキとカセットデッキの需要が高くなってきたということです。特にオープンリールデッキではAKAI、カセットデッキではNakamichiです。AKAIは相場が上がってきても国内、海外のお客様から引き合いがあります。近頃はカセットテープが珍しく、ダウンロードが主流の若い世代でもアナログ的なラジカセ等で聴く方が増えているといいます。ジャンク品として商品化するオープンデッキは録音ができない個体が多いのですが、TechnicsのRS-1506Uが、ベストな状態では無いですが、録音できたので試聴してみました。

左写真がRS-1506Uで右はDENONのDH-710Sです。オープンデッキは場所を取り、重さも20Kg越えがほとんどです。しかもリールからリールにテープを巻き付ける作業が面倒で、テープガイドの位置や構造が機種によって違うので掛け間違いしそうになります。音を出すまでの準備が、家庭で扱う録音再生機器の中で一番厄介ではないかと思います。

でも大きな10号リールをセットして動き出すと、デジタル機器にはないメカニカルさでワクワク感があります。アナログレコードに針を降ろす瞬間にも似ています。レコードの回転を眺めるのが好きな私は、左右の10号リールが回るようすにも魅力を感じます。

やはりアナログ機器にはVUメーターです！ライトアップされた左右のメーター針が音とともに脈打ち振れるようすはたまりません。音楽を聴くには当然良い音が一番ですが、こういった視覚から入る情報も楽しみの一つです。

	オープンデッキの心臓部、テープが直接通る録再ヘッドは各社しのぎを削って開発された部分です。 RS-1506Uは1977年発売なので単純に40年以上前の機器です。それが今でも音を出せるということは驚異的で、当時の日本の技術が高かったことが伺えます。
最後に肝心のアナログの音はと言えば！デジタルという比較があるからこそ更に魅力を感じます。面白いもので、CDからの録音であってもオープンデッキで録音すると、アナログ特有のノイズも含めた表情が加わって、何故か落ち着きます。アナログはよくあたたかい音がすると言われますが、人間の耳は良い意味でノイズも含めた音を聴いて音の好みを判断しているのだと思います。デジタルの劣化の少ないクリアな音は誰でも手軽に楽しめて素晴らしいです。しかし、今録音して聴いてみても、開放感のある音の広がり、リアルな臨場感は手間のかかるオープンデッキにしかない至福を味わえる音であり、尚かつメカとしての所有欲も満たされます。だからジャンク品を修理してでも欲しいという方が多くおられ、需要があるのでしょう。学生の頃、NakamichiのカセットデッキZX-7で録音した音、KENWOODのチューナーL-02Tから流れるFM放送を初めて聴かせてもらった時の驚きと感動が、今回試聴したオープンリールデッキにもありました。