SHURE V15 Type3のマイナーチェンジモデルハイファイ堂メールマガジン第837号大須本店

SHURE V15 Type3のマイナーチェンジモデル
ハイファイ堂メールマガジン第837号大須本店


MMカートリッジの一番人気・シュアーのV15 Type3。1973年に発表され、同社のラインナップ大幅入れ替えが行われる85年のHEモデル生産終了までマイナーチェンジを繰り返し、10年以上愛されたロングセラーモデルです。Type3の歴代マイナーチェンジモデルが入荷しましたのでご紹介させていただきます。 Type3には個体差があることをご理解のうえ、お読みいただければと思います。
V15 Type3は1973年にシュアーの最高級MMカートリッジ・V15 Type2の後継モデルとして発売されました。当時の新開発となるラミネーテッド・マグネティック・コアや、旧作より実効質量を25%軽減したスタイラス・アッセンブリーを採用し、音溝への追随性を高めています。温かみのあるType2と比べ、飛躍的に進化した解像度、レンジ感、力強く実在感のある中低域が魅力です。
ボディ前面の鏡面仕上げ（天面は縮み仕上げ）とボディお腹側の白い文字が目印の初期型、通称「白文字ツルツルボディ」。初期に製造されたこのモデルは中域が厚いと言われ一番人気。今回の入荷はJICO製交換針と思われる針先ではありますが、実際に試聴すると確かに他のモデルより中域に厚みを感じます。逆にHEのような抜けはないような気がします。
	ツルツルボディの前面鏡面部分が縮み仕上げとなった中期モデル。文字は白いままで「白文字」と呼ばれます。音の輪郭がくっきりと描かれ程よい厚みが好印象。ゴリゴリと押し出す感じではなく丁寧なサウンドです。クラシックも十分楽しめる万能型。
白文字の後に「後期モデル」と呼ばれる黄色文字のType3。今回入荷したこの製品はオリジナル針VN35Eが付いていました。白文字・前面縮み塗装とあまり変わらない印象でバランスよく心地よいサウンド。聴き比べた中ではこれが一番オススメです。
	Type4発表の後に発売されたType3のHEモデル。針先はそれまでの楕円からハイパーエレプチカル（超楕円）に変わり、音溝に対しての追随性を更に高めています。オリジナルに比べ高域寄りのサウンド。音抜けは一番と感じました。

Type3は負荷容量が400pFと高め。調整の出来るアンプであれば本領を発揮します。針圧は重めに合わせる方が多いようですが、1gあたりが良いと思います。出力端子が取り付けてある「おしり部分」はボンドで接着されているようで、経年劣化が生じているため頻繁にリードワイヤーを付け替える方はご注意を。裏板が外れて断線してしまうと使えなくなります。
後継モデルのType4はさらに解像度が増し、フラットで万能型になりますが、Type3しか味わえない「魅惑の中域」はアナログの醍醐味。ぜひ一度は使ってみて下さい。