ハイファイ堂メールマガジン

こんにちは、品質管理部の徳重です。今回もレコードプレーヤーのチェックについてお話致します。
どんなにセッティングが決まっていても、ターンテーブルが正確に回っていないと心地良く音楽を聴けません。正確に回っていない（回転ムラ・速すぎ/遅すぎ）要因は色々有ります。まずターンテーブル自体がスムースに回るかどうかの確認です。プレーヤーの電源はOFF、ベルトドライブ式ならドライブベルトは外します。そしてプラッターを手で回してみます（回転速度は33又は45回転と同じ位で）。プラッターはしばらく回転してやがて止まりますが、止まった瞬間に逆回転方向へほんの少しですが動きます。全ての機種には当てはまらないと思いますが、問題無く回転しているターンテーブルは、概ね上記のような動作をします。
	前述の動作確認で、回転がすぐに止まったり回転中に異音が出ている場合は、センタースピンドル軸受部分の潤滑油が少なくなっているか完全に枯渇している事が考えられます。（画像はKENWOOD KP-880Dのセンタースピンドル部と軸受部です）潤滑油を最適量注油すれば、スピンドル軸と軸受部の間に非常に薄い膜が出来て回転時の摩擦抵抗を最小限にする、という仕組みです。
さてベルトドライブ式で回転不良が有る場合、ドライブベルトを新しいものに交換すれば解決する場合がかなり有ります。 THORENS製のように純正品が入手出来れば良いのですが、例えば古い国産製品の中には稀なベルト径のものが有り、非常に入手困難または入手出来ない場合も有ります。
	最後に電気系統が原因で回転不良を起こしている場合です。モーター不良の場合は、モーター毎交換という事になります（同等のモーターが入手可能なら良いのですが・・・）。また、モーターの回転を制御している回路内で異常が有る場合（IC不良という場合が殆どです）、これも交換できるパーツが有れば修理可能です。そして左画像のように回転を微調整出来るモデルの場合、回転を合わせようと調整つまみを回したら急に速くなったり遅くなったりと全く定まらない事が有ります。この場合は調整つまみに接触不良が生じていますので、接点洗浄により解消する可能性が高いです。
あまりにも奥が深いレコードプレーヤーの動作チェックですが、次回はカートリッジについても触れたいと思います。

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