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海の青　山の青　4344MK2から4348へ第21話「いい音との遭遇 (5)」 2007年6月15日　近藤賢二　こんなにも素晴らしい音があったのか！　JBL4344MK2から4348への導入から4ケ月が経過しようとしている。オーディオのことなら何でも試にと実行してきたが、これだけは4344MK2でも圧倒的に音質がよかったので、頑として変更していなかったのがスピーカーケーブルのバイワイヤー接続だ。バイワイヤー接続とはスピーカー端子への接続の仕方である。
JBL4344MK2で培ったケーブル接続をタスキ掛け、つまり低域側へは(＋)で高域側へは(−)端子での接続であった。4348導入時においても変更しなかった。この方法は低域及び高域から繋ぐよりグゥーンと鮮度が上がるし、よりクオリティの高い音質を提供してくれていたので、断然気に入っていた。そのため頑固なまでにこれだけは変更しなかった。「オーディオのことなら何でも試してやろう！」の精神で邁進してきたつもりなのに、この逆の低域側へは(−)で高域側へは(＋)端子への接続は一度も験さなかったのだ。それを覆す時がやって来た。オーディオ雑誌「ステレオ」で読者「オーディオQ＆A」の質問で、これもJBLスピーカー4428であったと思う。「音質改善策として他にどのような方法があるのでしょうか？」という質問に対し、オーディオ評論家石田善之氏の回答は「このスピーカーはバイワイヤリング方式なので、スピーカーケーブルが現在標準接続であれば一度スピーカー接続端子をタスキ掛けの(＋)側を高域に、(−)側を低域に繋いで一度試して見てください」だった。「これは現在繋いでいる方法とは全く逆だ」
「百聞は一見に如かず」とばかりに、急いで我がリスニングルームの4348の接続端子を石田氏回答通り、(＋)側を高域に、(−)側を低域に接続し直した。
逸る心を抑え買ってきたばかりのニューアルバム・ジャズCD「プレイズ・スタンダーズ／スティーブ・キューン・トリオ」TKCV-35395を試聴してみた。この音を聴いた途端、「頑固な考えは改めねばならない」と反省することしきりだった。それくらい好みの音質に変化したのだ。とにかく重厚なサウンドがたまらなく快感なのだ。なぜもっと早くこの方法を試みなかったのか！悔やみきれない思いが心の中を駆け巡っていた。CDの録音の良さも手伝って、ピアノの音の立ち上がりの速さと、するどい音の切れ味が心地よく太い響きを導き出し、ベースはいままでより低域がより引き締まった気持ち良く押し出し前面に放っていく。弾け飛ぶようなシンバルはまさに繊細かつ透明で今まで体験した中でも一番であろうという響きである。抜きん出た見事な音質を再現してくれたのには感心した。
「これは何時までも聴いていたい素晴らしい音だ！」呆然と聴き入っていた。このバイワイヤリング接続によって得られた高音質を聴くと、これからますますよりオーディオが楽しみになってきた。（つづく）

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