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”ハイグレード防音室を体感”レコードコンサート 「あの頃のレコードを憧れのビンテージオーナーで」(前編) 開催日時 2015年1/10(土)〜1/12(祝)各日午後13:00〜/15:00〜の2回開催 会場 東京都新宿住宅展示場内ダイワハウスモデルハウス防音室 |
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訪れた1月11,12日は両日とも快晴に恵まれ、冴え渡る青空に東京都庁ビルの頭が銀色に輝いてとてもきれいだった。東京都新宿住宅展示場は高層ビルや道路などの大都会の風景に囲まれてぽっかりと存在する。リニューアルしたばかりの展示場内はイベント小屋や飲食サービスのワゴン車を配し、たくさんの生花で華やかに彩られて、お祭り気分をもり立てている。風船やお土産を手にした家族連れでにぎわい、各社のモデルハウスの呼び込みに自分もつい引き込まれそうになるが、私はすでに家を建ててしまった。モデルハウス巡りは楽しいが、今回は目的が別にある。 |
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縁あって、ダイワハウスのモデルハウスにてハイファイ堂のビンテージオーディオを使ったレコードコンサートを開くことになったのだ。 これまで百貨店のフロアホールなど、やや開かれた空間でレコードコンサートを行ってきたが、今回は一般住宅の防音室での開催である。モデルルームとはいえ、より自宅に近い環境でオーディオを試聴することができる希有な機会となりそうだ。 |
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私事だが、高校のときに吹奏楽部でトランペットを吹いていた。普段の練習は田舎でのびのびした環境にあった校内で広いグランドに向かってぶわぶわと音を鳴らしていたが、試験前で部活が休みのときには自主練を行うために楽器を自宅に持ち帰る。自宅は普通の住宅街の一角にあり、当然だが窓は普通の一枚ガラス、まして防音設備などあるはずもない。6畳間の自室ではほんの一吹きでも金管楽器はすさまじい音量となる。やむを得ず、窓を閉め切り、押し入れのふすまを開け、布団の山に向かってぶっぱなしたものだ。それでも近所には相当に音が漏れていたことだろう。今更だがご近所の寛大さには頭が下がる。 この日本の住宅事情では楽器を演奏する者ならだれでも練習場所には頭を悩ませたことがあるだろう。ホームシアターやオーディオファンでもどこにも気兼ねなく大音量で気持ちよく鳴らせたらどんなによいかと思っている人は多いことだろう。 防音室や防音ユニットなどを設える方法は以前からあるが、どうも閉鎖的で息苦しいイメージがつきまとう。 |
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ダイワハウスでは長年”生活の音”に着目し、研究や開発に取り組んできた。結実したのが高い防音性能を誇る「奏でる家」。 パンフレットには音楽や映画を自宅で存分に楽しみたいご家庭が多数紹介されているが、中でもタンノイのオートグラフが鎮座し、バーカウンターや畳コーナーも設置したすごいオーディオルームに目が釘付けになった。なんと贅沢なんだろう! |
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東京都新宿住宅展示場のダイワハウスの防音室は、冒頭の全景画像の、1階の向かって右端にあり、広さは約20畳。正面の壁に大理石を貼った小さなステージが設けられている。練習だけでなくライブステージなども自宅で楽しめるという設定だ。防音性能はトランペットやドラムの演奏にも耐えるハイグレード。 20畳という広さはもとより外と内の2方向が全面ガラス張りなのでまったく閉塞感を感じない。 ステージのコーナーには音響アイテム:コーナーチューンがある。これで音の響きを心地よく整えているそうだ。 手を叩いてみると、音は響きすぎずちょうど良い具合に引く。もちろんこもった感じはしない。 |
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窓はペアガラスの二重窓。2枚のペアガラスの間は20センチ以上の空間がある。サッシもオリジナルの防音仕様となっている。この2枚を閉じるとまったく音漏れがない。 |
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ステージ奥にある出入り口も二重扉。 |
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コンサートプログラムとコンサート用のオーディオセットについては先週のメルマガで紹介した。 ↓↓↓ http://www.hifido.co.jp/merumaga/special/150109/index.html |
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ただし、プリアンプだけ当初準備したものから急遽変更になった。 レコードプレーヤーはYAMAHA GT-750 プリアンプはMcIntosh C29 パワーアンプはMcIntosh MC225 スピーカーはJBL C40 Harkness |
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11日午後13時、ハイファイ堂福岡店の福永正和のレコードコンサートが始まった。 こんな贅沢な防音室で聴くなら、大音量ロックでしょ、というわけで、テーマは1970年代のハードロック、プログレッシブロック。 |
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1曲目はディープ・パープルの「Smoke On The Water」。 洋楽オンチの私でも知ってる認知度No.1のギターリフで元気に始まる。弦の動きが見えるよう、些細な引っ掻き音もリアルに再現されている。遅れて入るベースがビンビン響いて気持ちがいい。以前、大丸京都店で行ったプログラムと同じだが福永の選曲はあえてド定番。レッド・ツェッペリンからプログレッシブロックのピンク・フロイドへと続く。これらは1曲が長いがそれぞれたっぷりと聴かせてくれる。 |
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それにしてもロックとはこんなに大音量で聴くものなのか?普段はクラシックやジャズを中心にアコースティックな音楽に親しんでいる私にはその音圧にただただ圧倒されるばかり。テレビでよく大型送風機を回して風速40mを再現、などとやっているが、あれを音で受けているような感覚だ。 曲が流れている途中でも見学のお客様のために何度も窓を開けるが、2枚目の窓が開いた瞬間、入ろうとしたお客様が予期せぬ音量にのけぞっている。これほどの音量でもまったく音が漏れていないようだ。 ロックを好きな方にはまたとない環境だろう。目を閉じ背筋をピンと伸ばして音に全身で浸っている。まるで滝修行の面持ちである。音楽、あるいはアーティストへのリスペクトがこちらにも伝わってくる。 外に出て、無料サービスのコーヒーをすすりながら、大音量に慣れない耳を少し休めた。 午後15時からは'80年代の男性ボーカリスト特集。 ビリー・ジョエル、あまりの懐かしさに涙が出そうになる。スティング、ボズ・スキャックス…まさに私の10代20代のBGMのオンパレードである。お一人で体をゆらしながら聴いている女性もおそらく同年代と見受けられる。 選曲は現在でもCMなどでよくかかるなじみ深いものばかりだ。私は当時の自分の偏向ぶりというか食わず嫌いを悔いた。あのころの洋楽がこんな名曲ぞろいだったとは!帰ったらスティングのCDを探しに行こう。 |
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コンサート前におどけてみせる福永。私と同い年であることが判明。道理で選曲がことごとく琴線に触れてくる。まさに同じ時代の風を感じてきた同級生。 |
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元々、11日のコンサートだけ聴くつもりであったが、思いのほか楽しかったので、翌日も行くことにした。 12日を担当する二人は、どちらもレコードコンサート初体験。どんなコンサートになるか楽しみだ。 この続きは次週のメルマガにて。 |
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文と写真:横井昌美(ハイファイ堂メルマガ編集スタッフ) ”ハイグレード防音室を体感”レコードコンサート 2015年1/11(日)と1/12(祝)を取材 |
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