ハイファイ堂メールマガジン

レコマ君のジャズレコード独り言　第8回目　「ブルーノートレーベルのこと 2回目」　 2006年3月31日　レコマ君　BLUE NOTEレコード1500番代一番の「こだわり」なるものにレコード盤の「フラットデイスク」がある。
フラットデイスクはSP盤のようにフラットエッジのもので、厚い重量感の有る盤のことである。当時のレコード盤はSP時代よりかなり改善されてきたが、まだ外周部の山が無い物が主流だった。ただ、フラットデイスクの中にも数種類の形状があり、レーベルによって異なっている。
BLUE NOTEの場合、ストレートエッジといわれる形状である。NOGRANレーベルは今のビーナスレーベルのような形状のもの。（下写真のレコード盤は左がBLUE NOTE、右がNOGRAN）

	RIVERSIDE も少し異なるが、同様なエッジであった。
BLUE NOTEの「フラットデイスク」は1500番から始まり、1557番の「LEE MORGAN VOL-3」まで存在する。ただ、ラベルのデザイン、住所、ロゴ、等は同じだが、フラットデイスクでない盤がある。2ndではないが、完オリ（パーフエクトなオリジナル）ではない。価格も格段の差が出る。
	1558番以降は通常の外周部に山（グルーブガード？！）のあるデイスクになる。先のフラットデイスクはジャケットからの出し入れ時にスレが多く発生する。これを改善するためにこの山が出来たと言われている。
後期になると、ABC-PARAレーべルの中に盤のエッジ部にギザ（10円玉の、”ギザ拾”のような物）が付いているものがある。多分、手で持ちやすくする為と考えられる。

近年、"ハイクオリテイー"を「売り」にした重量盤が発売されているが、基本的に当時の物と異なることは音溝の太さと深さである。'60年当時のカートリッジとのマッチイングから考えると、オリジナル類には当時のカートリッジの太い針（0.7ミル〜1.0ミル）が、音溝にしっかりとマッチしていると考えられる。上記に述べたフラットデイスクのズッシリとした音を再生出きると考える。特にMONO盤にはMONOのカートリッジが当時の製作者の意図した音を再現すると思う。　前回に書きましたルデイー・バン・ゲルダ−はブルーノートの他、プレステッジ、ヴァーブ（リマスタ−）サボイ、他のレーベルの録音・カッテイングを行っている「JAZZの音」に欠かせないエンジニアの一人。彼の音の基本はMONO と考える。ブルーノートが後年（1966年）リバテイーに移行するのだが、ステレオで再発される物に、"VANGERDER"の刻印が無いのが多い。バンゲルダーの音を再生するなら、ぜひMONOのカートリッジでチャレンジしてみて欲しい。　次回はラベルについて。（続く）
♪今週の推奨盤♪ LEE　MORGAN　の「この三枚」
「CANDY」（1590番）　このアルバムはモーガンの代表作でもあり、ジャズアルバムの名盤でもある。過日もオークションで30万円超の価格で落札された。かつては40万円とか45万円とかで取引されたこともある。　タイトル曲の「キャンデイー」は、古くから取り上げられていて、歌詞がついて唄われているものもある。が、矢張り、このアルバムが最も有名。ナット・キング・コールの1945年の録音がオリジナルレコーデイング。
	「LEE MORGAN VOL-3」（1557番）　B面-1の「アイ・リメンバー・クリフオード」がベスト中のベスト。感動します。この曲は、ベニー・ゴルソンの作になるもので、若くして逝ったクリフオード・ブラウンを偲んで作曲した名曲。モーガンがこれを朗々とTPで歌う。このアルバムはこの一曲で名盤になっている。上述のとおり、この盤までフラットデイスクがあって、（通常盤も有りますが）価格的にも25万円はするかと。
「INDEED」（1538番）　このアルバムとVOL-3とが価格的には行ったり来たり。上記2枚に比べると少し地味かと。ただこのアルバムはレキシントンラベルで、フラットデイスク、額縁（ガクブチ）ジャケットの本物で、良いコンデション盤がなかなか出ないため、一時、「VOL−3」より高値になったこともある。レコマ君へのお問い合わせはこちらから http://recoma.hp.infoseek.co.jp/