ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 秋葉原店の北村です。 |
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苦労して手に入れたオーディオ…。せっかくなら、それなりに大きな音で鳴らして楽しみたいところですが、気になるのは周囲の目。いや…“周囲の耳”か。 音は外に漏れます。場合によっては近所迷惑になってしまう事もあるでしょう。これはオーディオファンが背負う宿命的問題。 防音室で鳴らすなら問題はないでしょうが、そんな理想的な環境があるのはオーディオファンの中でもほんの一部の人だけ。 ボリュームを上げるも「そろそろヤバいかな…」なんてビクビクしながら鳴らす、そんなあなたのために、今回のメルマガは簡単にできるプチ防音対策をご紹介。 |
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音漏れで目立ちやすいのが、スピーカーで言えばトゥイーターやスコーカーが受け持つ中高音域。そしてその音が外部に漏れるのは主に窓から。 今回は“窓”にテーマをしぼって、私のオーディオルームを例にお話を進めたいと思います。 それでは早速いってみましょう。 |
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●窓を閉める さすがに窓を全開にしてオーディオのボリュームを上げていくチャレンジャーはいないと思いますが、防音の基本中の基本として、大きな音を出す時は窓やドアを必ず閉める事。まずはこれが第一段階。 |
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写真は部屋の窓を解放した状態。外の環境音が入ってきます。近所の子供のあそぶ声、犬や鳥の鳴き声、車の音、風の音…。 もちろんこの状態ではこちらが鳴らすオーディオの音もダダ漏れという事になります。 |
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外界との遮蔽物は多い方が良い。 雨戸のついている窓は、思い切って雨戸を閉めてしまいましょう。 当然部屋が真っ暗になるので電気をつけなければなりません。窓も閉めきるので夏場はエアコン必須。 節電・省エネとは逆行してしまうところが残念ですが、音漏れとどちらが怖いかを考えると、自ずと答えは見えてくるでしょう。 |
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●隙間を埋める まず最優先で対処したいのが“窓の隙間”です。音はちょっとした隙間からでも外部に漏れていくので、部屋の気密性を上げます。 音の漏れ口を塞いでしまい、逃げ場を無くしてしまおうというねらいです。 |
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写真は普通に窓を閉めたところ。 解放状態に比べると外界からの音はかなり減少しますが、サッシの僅かな隙間から空気の流れを感じる…。 これが音漏れの原因となります。 |
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そこで登場するのが、ホームセンターなどで入手できる“すきまテープ”です。 商品の用途を見ると「引き戸・ふすま・障子・窓等のすきまふさぎに」とあります。 スポンジ質の素材で種類がいくつかありますが、隙間を塞ぐならできれば密度の高い硬めの物がオススメです。 |
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写真は実際の使用例。隙間になる部分をなぞるように貼り付けるだけで簡単に設置できます。 窓の開け閉め、鍵の可動部分の妨げにならないように貼るのがコツ。 このすきまテープの効果は絶大で、外界からの音が一気に減少します。窓を閉めただけでは塞ぎ切れなかった、遠くを走る車の走行音や風の音がほぼ聞こえなくなりました。 |
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●窓を塞ぐ 窓や雨戸だけでは手緩いぞ!そんな私はスピーカーを鳴らすときは、小窓を段ボールで塞いでしまいます。チョットやり過ぎ?いえいえ、費用対効果からするとこれがなかなかの効き目。 段ボールの束に耳を近づけると、急激に音が吸い込まれるポイントがあります。この吸音性の高さに着目し、窓枠のサイズに合わせた段ボールを、できるだけ重ねて設置しています。 |
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段ボールの束。この裁断面に耳を近づけると・・・ その吸音効果はホームセンターなどで確認してみてください。 |
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こちらが実際に設置した状態。 “なんちゃって二重サッシ”とでも言いましょうか、見栄えはイマイチですが遮音(吸音?)効果は侮れません。 外界の音はほぼ気にならないレベルにまで抑えられました。 静かにしていると隣家の犬の鳴き声、車のエンジンをかける音が、僅かに聞こえる程度。こちらから外に漏れる音も確かに減衰しています。 |
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二重サッシの製品資料を見た事があるのですが、一枚目と二枚目のガラス間の空間は広ければ広い程、遮音効果があるそうです。 もし余裕があるなら窓に密着させるより、多少離して空間を設けた方が効果的かもしれません。 |
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●防音カーテンを設置する ちょっと費用はかかってしまいますが、“防音カーテン”という物があります。遮光カーテンなど、厚め素材のカーテンには付随して防音機能がついているものがあります。 遮光機能には“一級”など等級がありますが、防音については無いようで、ただ“防音”とだけ記載されています。効果はカーテンの材質によって違いがあり、音を反射して防ぐのか、それとも吸収するのか、用途によって使い分けが可能です。 |
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防音・遮音機能の有無はこのようなマークで確認できます。 サイズや種類にもよりますが、一窓5,000〜10,000円くらいの費用で対応できるかと思います。 カーテンの大きさは、窓枠を完全に覆う大きめのサイズを選びましょう。 |
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遮光一級&防音仕様だと裏地はこんな感じです(白い部分)。 普通のカーテンに比べると厚く重く、通気性はほぼ皆無。こんなカーテンもあるのです。厚手のカーテンは窓ガラスの共振防止に効果がある点も見逃せません。 そういえば、工事現場を覆っている分厚い防音幕はどれぐらいの防音効果があるのでしょうか…。気になります。 |
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私の部屋では防音カーテンを含め、吸収効果を考え三枚のカーテンで窓を覆っています。 すきまテープからはじまり、この防音カーテンで窓の防音対策は完了。 環境にもよると思いますが、私の部屋ではここまでやると外界の音はほぼシャットアウトできました。 完璧ではないが、最善は尽くす。これで音漏れに可能な限り配慮した状態にできたと思います。 |
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●“音のエチケット”で楽しいオーディオライフを! 夜になると外が静かになる分、音漏れの問題も深刻になります。時間帯によってボリュームを制限する、ヘッドホンに切り替える等、自分の中でルールを決めるのも大切です。 ちなみにベストポジションからは外れてしまいますが、スピーカーに近づけば近づくほど、ボリュームは同じでも体感的に音は大きく感じるので、ボリュームを下げた分だけ「一歩、二歩、近づいて鑑賞する」なんていうのもおもしろいかもしれませんね。また、小音量時の周波数特性を補正してくれる、アンプの「ラウドネス」機能も活用しましょう。 ここまででご紹介したカーテン等の対策は、主に高音域の減衰に効果がありますが、もちろん音漏れを完全に塞ぎ切れる訳ではありません。あくまでも簡易的な防音対策です。 完全防音室がある、隣家が100m以上離れている、近隣住民全員が笑って許してくれる聖人君子である、といった理想的な環境をお持ちの方以外は、くれぐれもボリュームの上げ過ぎに十分ご注意ください。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 最後におまけとして、オーディオ取扱説明書にある“音のエチケット”マークをいくつかご紹介します! |
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こちらはサンスイのエチケットマーク。 お月様がモチーフになっている事から、夜間は大きな音を控えましょうという意味でしょう。 既にヘッドホン鑑賞状態になっているところがポイント高し。 |
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続いてオンキヨー&パイオニア。 ボリュームノブをイラスト化したマーク。夜間は窓を閉め、ヘッドホンの使用を勧めるアドバイスが載っています。 なるほどこうやってボリュームを下げるのねと、試しにイラストのポーズを真似してみると、非常に操作しづらい事に気づく。 |
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最後はソニー、ヤマハ、デノン。これらのメーカーは共通のマークでした。 調べてみたところ、このマークは“電子機械工業会「音のエチケット」キャンペーンのシンボルマーク”だそうです。 確かに一番よく見かけるのはこのマークですね。各社共通で統一感があり、意識の向上にも一役買っています。 |
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昔見かけた音のエチケットのイラストで、不良っぽい青年が爆音状態のスピーカーをかついで闊歩し、周りの人が逃げているというのを見た事があります。今回是非ともご紹介したく探してみたのですが、残念ながら発見できませんでした…。どこのメーカーだったのかしら。 何はともあれ、そんな迷惑な存在にはならないよう、注意していきたいものだと思います。 以上、普通のオーディオ話とはちょっと視点を変えた内容でお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。それでは、今回はこの辺で失礼致します。 ハイファイ堂秋葉原店 北村 ●ハイファイ堂秋葉原店:〒101-0021 東京都千代田区外神田5-3-12清和ビル1階、3階 TEL (03)5818-4751 |