ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 大丸東京店の北村です。 体調管理には気をつけているつもりですが、先日風邪をひいてしまいました。 あまりひどくならなかったのが幸いでしたが、体調が悪いと何だか耳がつまって聴こえが悪く、花粉症とのダブルパンチでせっかくの休日もオーディオを鳴らす気分にはなれませんでした。 満員電車では風邪をうつされないようにマスクが必須ですね。みなさまもお気をつけ下さい。 |
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風邪から全快して真っ先にした事は、自分の耳が本調子を取り戻したかどうかの確認でした。お気に入りのチェックディスクを鳴らし、耳の感覚を取り戻します。 誰でも聴き慣れた音楽というのはあるもので、その聴こえ方をものさしにしてオーディオ機器の調整や買い替えの参考にしていると思います。もちろん私にも、何百回と聴いて耳に染み付いている音や音楽があります。 お客様から「あなたはどんなスピーカーを使ってるの」「どんな音楽を聴くの」と尋ねられる事がけっこうあります。店員がどういった視点でオーディオに接しているのかは確かに重要ですし、好む音楽のジャンルが共通していれば話もしやすいかもしれません。それに加えてオーディオ屋は毎日音楽に接しているという事で、何か特別マニアックな音楽的嗜好をもっているのかどうかも気になるようです。 私も店頭では広く知られたジャズやクラシックの定番曲でサウンドをチェックしますが、プライベートでは全然違ったジャンルの音楽をかけます。 今回のメルマガではいつもとは趣向を変えて、最近私が「個人的に」オーディオのチェックに使用しているCDを何枚かご紹介しようと思います。中には特殊なモノもありますが、こんなCDを聴いてチェックしている人間もいるのだなぁと参考にして頂ければ幸いです。 店頭展示中のスピーカーとの相性もチェックしてみましたので、併せてご覧くださいませ。 |
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かわいらしいジャケットとは裏腹にダークで重々しい楽曲が収録されている、TVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のサウンドトラック盤です。 作曲は連続テレビ小説「花子とアン」の梶浦由記。 |
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コーラスが印象的な曲調の中に、ギターやフルートなど様々な楽器が織り込まれ、幻想的な雰囲気を醸し出しています。 鮮明度の高い音質ですが、オーディオのセッティングが甘いと楽器の定位感があやふやになります。ふわりとした音場感というよりも、明確な音配置を見極めたい時によく聴きます。 中でも「Sis puella magica !」という曲が個人的にはお気に入りで、オーディオチェックの時には必ず鳴らしています。 このCDを聴けばオーディオのコンディションだけでなく、自分の体調の良し悪しまで分かっちゃいます。楽曲の良さはもちろんですが、アニメのCDにしては音質も良好な方ですので、サントラ好きの方は一聴の価値ありですよ。 |
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「魔法少女まどか☆マギカ」は絶望的悲劇の連続に翻弄される少女達を冷徹な視点で描いた作品。サウンドにもある程度の緊張感が欲しくなります。 ビンテージ系システムでは雰囲気重視のサウンドとなり、これはこれで魅力的なのですが、クールな表情があまり見えてこない…。そこで比較的年式の新しいWILSONAUDIO SYSTEM 5で鳴らしてみたところ、これがピタリとハマった。メロディアスな楽曲を、一歩引いた冷静さを保って描写。一方、アコギなど暖かな感触を持った曲ではしっかりとぬくもりを感じる事ができる。このコントラスト、さすがはハイエンド機。明確な定位感も◎。 |
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続いては、スタジオジブリ映画「ゲド戦記」の主題歌「テルーの唄」です。歌い手は手嶌葵。 手嶌は後年の「コクリコ坂から」でも主題歌に抜擢されており、その無垢な歌声はジブリ作品と相性バッチリ。 |
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ナチュラルな歌声が空間に染み渡ります。静かで、寂しげな歌声です。劇中ではアカペラでしたが、このCDでは伴奏があります。 主にボーカルの具合をチェックする時に聴きますが、バックで聞こえる弦が小さく痩せ細って聴こえたなら、ちょっと手を入れたくなりますね。 とはいえ静かな曲ですので大げさにならない程度に実体感を伴った音で再生できるように調整したいところです。 迫力重視のチューニングになりがちな私にとっては、自制の意味も兼ねた欠かせない一枚です。 |
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店頭ではDIATONE DS-2000がベストマッチでした。 落ち着きのある音色で、楽曲の美しさをしっかりと伝えてくれました。 やや高域寄りのパワーバランスでしたが情報量が多く、リバーブも空間によく浸透します。 国産スピーカーらしい素直で透明感のある音が魅力的でした。 |
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お次はガラリと変わってメタルです! ジャーマンメタルのゴッド、カイ・ハンセン率いるGamma Ray(ガンマ・レイ)。 その5thアルバムから、タイトルチューンの「Somewhere Out in Space」をよく使います。 |
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非常にテンポが早く激しい曲です。ツーバス連打が空気を揺らし、ツインリードギターがキンキンと耳を刺激します。 最新アルバム「Empire of the Undead」に収録されている「Hellbent」の重低音も、グワッとボリュームを上げて音圧の具合をチェックするのにいいですね! 腹にドスッと響く緩み無い低音、耳に突き刺さるような硬質な高音…というパワー系の攻撃的サウンドが好きな私には絶好のチェックディスクといえるのですが、こんな曲を大音量で流したら近所迷惑必至ですので家では一切活躍する機会が無いですね。 オーディオショップでメタルを爆音試聴している人間がいたら、私かもしれません。 |
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店頭在庫で選ぶならWILSONAUDIO SYSTEM 5。最適とは言えませんが意外といい線いってました。歯切れのある低域でツーバス連打もスピード感抜群。ウーファーの口径を欲張らない20cmダブルの仕様が活きています。しかし、全体的にはちょっと優等生っぽさが鼻につく正確さ。メタルをノリノリで楽しむなら、ここはもっと荒々しさが欲しいですね。思わずヘッドバンギングしてしまうような勢いが…。組み合わせるアンプ次第か? メタル系ソースでは過去に聴いた中ではJBL 4333Bで鳴らした時の記憶が鮮烈に残っています。 |
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他にもたくさんチェックディスクはあるのですが、いちいち挙げていたらキリがないですね。 聴きどころのあるCDをひと通り聴いた後、いつもは次にご紹介する「仕上げの1トラック」を聴いて試聴を終わります。これが満足に聴こえないと納得出来ないです。 個人的趣味が暴走して申し訳ないのでおまけ程度にご紹介します! |
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その1トラックとは・・・ゴジラの鳴き声です! |
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ご紹介するのは、怪獣咆哮図鑑こと「HOWL : The Grunts And Growls Of All Toho Monsters」 東宝映画怪獣の鳴き声だけを、映画用オリジナル・マスターテープから編集・収録したというマニアック過ぎる一枚。 怪獣の鳴き声だけのCDがリリースされているという事自体どうかと思いますが、私のような映画大好きゴジラ大好きという好事家にとってはマストアイテムです。 中でも初代ゴジラの鳴き声の神々しさは別格!3代目ゴジラの猛々しい咆哮についても語りたいところですが、…これ以上は自重します_(._.)_。 |
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以上、普通のオーディオ・音楽愛好家の試聴盤とは大分ズレたラインナップかと思いますが、少しは参考になりましたでしょうか。ひとつ断言できるのは、自分の好きな音楽でチェックするのがいちばんだという事。 私ほど特殊ではないですが、他のスタッフにもけっこう変わったジャンルの音楽を好む人もいます。また、好きな音楽によってオーディオの音の好みも違ってくるのがおもしろいですね。どんな音楽やオーディオにも、その美感を捉える事ができる感受性を持った人間がいるのです。 オーディオを始めたばかりの方は機材選びに悩まれる事があるかと思いますが、まずは自分の愛聴盤が生き生きと聴こえるかどうかを頼りに、理想的なサウンドの方向性を探ってみてはいかがでしょうか。 ハイファイ堂ではCDはもちろん、LPの持ち込み試聴も大歓迎です。ジャズやクラシックじゃないからといって遠慮する必要はございません。お気に入りの盤をお持ちください。JBL、TANNOY、YAMAHA等々…展示中のセットにより音の違いを実感して頂きたいと思います。聴き慣れた音楽でも、きっと新しい発見がありますよ。 それでは、今回はこの辺で失礼致します。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。 ハイファイ堂大丸東京店 北村 ※在庫状況は常に変動しております。ご了承下さい。 ハイファイ堂大丸東京店 〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階 TEL 03-6256-0516(直通) 03-3212-8011(代表) |