言わずと知れた帝王のアルバム「'Round About Midnight」のリマスター盤です。ボーナストラックとして4曲も追加収録されています(だから「+4」なんだ)。さて、僕の感想は、ズバリ「?????」です。なぜ「疑問符だらけ」なのかと言えば「JAZZ=即興(アドリブ)音楽メイン」という僕なりの方程式をぶち壊してくれたからです。クラシックにも「カデンツァ」があるし、ロックにだって「ソロ」という「即興」があります。もちろんどのジャンルにも「主題」があり「副題」があり「即興」があります。JAZZの場合「即興がやたら目立つ」と感じています。ただ僕のこれまでの短い「JAZZ経験耳」から感じるこのアルバムは「即興に聴こえるけど、実は緻密に計算されているのじゃないの?」です。
例えば、最初のタイトル曲「'Round Midnight」では悲壮感漂うトランペットメインからはじまります。そして、ワン・テンポ置いて各パートが一斉に立ち上がる。5人のメンバーそれぞれにピンスポットライトに照らされた様な明るさが生まれます。次にサクソフォンメインになります。で、トランペットメインで最初の悲壮感へと収束して行く。。。。「これ、計算じゃないの?」。さらに、「Ah-Leu-Cha」は大人のノリで最初から「かまして」くれます。トランペットとサクソフォンのバトルです。トランペット、サクソフォンと順にメインになり、ピアノのメインになるのですが、「ピアノも即興風なだけで実は計算じゃないの??」。となれば、もう僕の「JAZZ初心者耳」ではオリジナルの最後の曲「Dear Old Stockholm」まで聴いてしまうと疑問符だらけになっていまいます。「これってコンセプト・アルバムじゃないのか?」、「即興と見せかけてちゃんと緻密に計算しているのか?」、「ジャズって即興至上主義だと思っていたのに!違うぞ!!」等々。。。というわけでオリジナル盤の最初の感想に至るのです、「?????」と。