「日本人ピアニスト」2008年5月9日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD 岸ミツアキ 「フィール・オブ・ジョイ」 大須本店 カプのおすすめCD Akita Seiko「Temptation」 京都店 |
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コンのおすすめCD 岸ミツアキ 「フィール・オブ・ジョイ」 岸ミツアキ(p)、ハワード・アルデン(g)、ジョージ・ムラーツ(b) 2007年9月NYで録音 スイングブロス CMSB-28018 2007/12/15発売 曲名 1) イッツ・ア・ワンダフル・ワールド 2) ユード・・ピー・ソー・ナイス 3) ナンシー 4) スイート・ジョージア・ブラウン 5) フィール・オブ・ジョイ 6) ラフィン・オン・ジ・アウトサイド 7) レット・ユアセルフ・ゴー 8) インディアン・サマー 9) デンジルズ・ベスト 10)オレンジ・カラード・スカイ 11)キャント・ヘルプ・ラピン・ダッド・マン 12)ゼイ・オール・ラフト 13)ドリーム |
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「音楽はまず美しくなければ!」という岸ミツアキ自身、オスカー・ピーターソン、ナット・キング・コール、ハンク・ジョーンズなどをこよなく愛するという。ダイナミックなスイング感と美しく繊細な音楽性を併せ持つ優雅なピアニストである。97年に初リーダー・アルバム「ジゥ・ユア・ハート」をリリースし、99年にはメジャー・デビュー作として「クロース・トゥ・ユア・ハート」を発表した。 久しぶりのドラムレス・トリオ・アルバムだ。岸ミツアキ7年前のアルバム「オール・フォー・ザ・ベスト」もドラムレスであった。岸ミツアキは意外とドラムレスでのトリオ・アルバムの多いのも特徴だ。その前のアルバム「ステッピン・アンド・スインギン」にしてもドラムレスである。我らオーディオ・ファイルには、ジャズ・シーンでドラムスの弾け飛ぶシンバル音は絶対欠かせないものだが、ドラマーがいない分、洗練されスマートさが際立つことは確かである。 今作の1)「イッツ・ア・ワンダフル・ワールド」、2)「ユード・・ピー・ソー・ナイス」から11)「キャント・ヘルプ・ラピン・ダッド・マン」、12)「ゼイ・オール・ラフト」と続けて聴いていった。ハワード・アルデンの繊細で透明感のあるギターを入れることにより、岸ミツアキのピアノ・タッチの躍動感とスイングするリズムとが溶け合っている。岸ミツアキのセンスと卓越したテクニックの上に豊潤な音色と圧倒的なスイング感をこのアルバムで聴くことができる。特に2)「ユード・・ピー・ソー・ナイス」を聴くと、アレンジはまさにピッタリとマッチしているように感じた。最後の曲13)「ドリーム」は2002年4月に発売されたアルバム「アナザー・ブレイク」においても、最後の演奏に持ってくるくらい、岸ミツアキ「お気に入りの1曲なのか!」とも思える。それとも「いつまでも夢をみていたい!」という欲望なのか。 何時までもどこまでも自分の信念を変えないというか「変わらない!」変わらずに必要とされているものを追求していく、全てのものが新しくなっていく、そのことによっていろんな楽しみが生み出されていく。ただ古いモノを演じるというものではなく、正道を極めながら最終的に今後も「岸ミツアキの音の世界」を作り上げていってもらいたいと望むところである。 サウンドは躍動感溢れるピアノのクリスタルタッチの音が色彩豊かに仕上げられている。それに軽快なギターと小気味よく弾むベースは実にマッチングもよく、バランスも秀逸でドライブ感豊かな演奏が眼前に迫ってくる。 |
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カプのおすすめCD Akita Seiko 「Temptation」 Akita Seiko(pf.arr.)、Jeff Hermanson(tp)、Michael McGinnist(ts)、Lonnie Plaxico(b)、Ulysses(ds)、Cafe(per.) 曲名 1) Unusual Expectation 2) Remembrance 3) Temptation 4) Beyond The Voyage 5) Our Spanish Love Song 6) Estrada Do Tchau 7) In Walked Bud 8) As 9) Nostalgia in Times Square 10)River Song |
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音楽好きのご両親の影響を受け、3歳からクラッシック・ピアノとオルガンを弾き始め15歳よりプロとして活動を始められました。ヤマハでオルガン・デモンストレーターとして活動を始めたSEIKOさんはニューヨークの9・11事件の11日前からアメリカで生活をスタートし、ピアニストのロニー・マシューズに師事され、ブロード・ウェー・シンガーの伴奏やライザ・ミネリとのツアー・リハーサルにも参加したという実力の持ち主です。本アルバム10曲中、6曲の作品を自ら手がけております。 “Unusual”は2ホーンとは思えない重厚な音楽です。パーカッションのCafeがラテン色の味付けを出しています。SEIKOさんのピアノとUlyssesのドラムスが情感豊かに盛り上げます。SEIKOさんのお気に入りだという“Remembrance”はクラリネットを活かした叙情的な作品です。“Temptation”可愛さと都会的センスを融合した作品はcappuccinoのお気に入りの一曲です。軽快なドラムスに乗せながら、其々のソロに加えバス・クラリネットが愉しさを倍増させます。“Beyond The Voyage”は最初のタイトルがBe On The Voyageだったそうですが、現在進行形ではなく、未来を展望したいという想いからこのタイトルに変更したという、SEIKOさんが初めて挑戦したモード・ジャズ作品だそうです。イタリア映画、シネマ・パラディソからE.モリコーネの作品“Our Spanish Love Song”は哀愁漂うJeffのフリューゲルやCafeのバード・ホイッスルが想像力を描きたて、美しいメロディーでドラマチックな作品に仕上げています。SEIKOさん自らも休日の午後の海辺で夕暮れに聴いて頂きたい作品だとご紹介されています。” Estrada Do Tchau”ドラムスとパーカッションの息の合った絡みが一層ラテン色を濃くして、とても愉しいです。一度耳にしたら忘れられないユニークなセロニアス・モンクの作品“In Walked Bud”はホーンを外してピアノ・トリオで演奏しています。ピアノ、ベース、ドラムスのブラッシュ・ワークと続く各ソロ・パートもお楽しみください。スティービー・ワンダーの”As” は彼の曲をシカゴで演奏してきたベース奏者Lonnieの意見がかなり影響しているようです。“Nostalgia in Times Square“はJeff のトランペット、Michael のサックスの2ホーンが息の合った力強い演奏です。”River Song”ハドソン・リバーと関わりながらアルバム制作を手がけたというSEIKOさんの思い入れのある作品です。ご試聴ご希望の方は、ご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) |