「オーディオ的不思議箱」 2007-1-19 音迷人 3.ヨハン・シュトラウスの巻(その2) 「何時まで浮かれてんの!もう松の内も過ぎたしニューイヤーコンサートも無いもんだ!」と言われそうですね。そう言わないで下さい。ネタが無いとバラしてあるんですから。 ◆皆さんも気付いておられるでしょうが、TVの送り出し方と同じなんです。1取材で3度美味しいと言うあれです。更に同じ時間帯でも同じ映像を繰り返したりコマーシャルを挟んで「かなり」ダブらせたりしていて、定点観測している我々はうんざり。民放は時間いくらでスポンサーに売っているはずですから、一寸問題ではないですか?途中から見る人のためにと言うようにも取れますが、ならば全て2、3分ごとにリプレイせねば理屈に合いません。これぐらい申し上げれば私のなんかカワユイでしょう? では胸を張って、ニューイヤーコンサートの歴史らしきものを一寸調べておきましょう。 |
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◆「その時タクトは動いた」:えー、私音迷人がニューイヤーコンサートが始まり、その後幾多の時代をくぐり抜け、2007/1/1の最新コンサートで、メータ氏のタクトが動いたかを適当に責任の無い創造的想像にてお伝えいたします。 暗転: それは1939のある日、ウィーン楽友協会の会計係が廊下ですれ違った指揮者に、「今年は客入りが悪く財政は苦しいですよ。暮れに餅代が出るかどうか?覚悟してください!」と肩をすぼめて言うではありませんか!プライドの高い指揮者は、内心自分の演奏が不人気で客の入りが悪く、稼ぎが出ないと言われたと思い震えました。それに恐妻家の指揮者は餅代が出ないと聞いてヤッパリ震えました。二重に震えた指揮者は寝食を忘れどうやったらお客が来るか必死で考えました。あるとき街に出て蒼白な顔をして散歩をしていますと、ある館の前では人が集り、陽気な音楽が聞こえて来るではありませんか!「あーもし、親爺さん!これってなあに?」と訊ねますと「青い顔しているところを見ると、あまり街に出ないんですね?これは街角舞踏会で、何でも有名な「オウデオ風雑談カフェ」主催なんでさー!」「ほーそうかい。あそこで下手な楽団を指揮しているお方は、立派な髭を生やしているがどなたかな?」「知らないんでやすか?<下町のクレメンス>て言う渾名なんですが、本名は ウメザワック・ヨハン・シュトラウス何世 とか言うんでさ。」「ええ〜!何とわしの名前を渾名に・・」とまたまた震えたのであります。 家に帰って日記をつけ様と一日の事を思い出していた指揮者、そうクレメンス・クラウスは「そうだ餅代稼ぎに、雑談カフェののりで特別演奏会をやろう!これは妙案だ!」と再三(実は四)震えたのです。それは2007年タクトが動くその時まで約67年前のことでした。(これ草臥れるので以下年表にします。悪しからず!) |
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★1939/12/31:クラウスがシュトラウスの作品演奏会を行う。 ★1941/1/1:新年を祝う形に変更して第2回を開く ・・・第2次大戦の為中断あり ★1946/1/1:「ニューイヤーコンサート」と呼ぶ、復興の人々を勇気付けた。指揮はクリップスが2年間だけ執る。 ・・・ ★1954:クラウスが急逝したので、コンサートマスターであったボスコフスキーがシュトラウスと同じように、時にヴァイオリンを弾きながら指揮を執った。 ・・・以後25回指揮しボスコフスキーの本場ウィーン訛りのある演奏を世界に披露し一時代を創り上げた。 ★1979:ボスコフスキー最後のニューイヤーコンサート(写真参照) ★1980〜1986:ロリン・マゼール ★1987:カラヤン この年より楽団員が選出した指揮者が交代で指揮者を務め現在に至る。アバード、クライバー、メータetc. 指揮者には勲章みたいなものですね。そして2002年日本代表、小澤さんでしたね。あれからもう5年経ったとは!おいおい! こうして発展し毎年行われているのですが、電子技術、放送技術などの発展につれ、高画質高音質で元旦に全世界に宇宙中継され、楽しむことが出来ます。 私が通うフィットネスクラブに来ている背高スリムさんも、毎年何故か観ていますとのこと、嬉しくなっちゃいました。 |
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表紙と上の写真はかの有名な生粋のウィーン育ちボスコフスキーおじちゃんのレコードからです。同じ録音のLPとCDです。CDは1975年の一部をADDで記念年1979年のをDDDで入れています。ロンドンレーベル初のデジタル録音だそうです。LPと共通曲を同時に掛け入力を切り替えながら比較してみましたが有意差はほとんどありません。針音と内側でのナロウ化でしょうか。 シルエットはシュトラウス2世です。ウイリーおじさんでは腹が出てそれはそれは・・! 写真下左はテラークの音自慢CDです。演奏はアメリカ訛りのウィンナーワルツですがほとんどポルカなので気になりません。雷鳴、鉄砲、汽笛、鉦、シャンパンなどドシンバタンそれ行け!と賑やかで面白いですよ。右のは生で聴いた、暮れ正月に日本市場でひと稼ぎして行く中小企業楽団です。しかしそれなりに手馴れたエキスが詰まっているので、日本楽団の照れのあるニューイヤーコンよりは楽しめます。記念に買ったCDでロビーに出てきたトランペッターにサインを貰いました。少しオフマイクですが、歪み感の無いワイドレンジな録音です。 |
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◆前回 音楽の都、ウィーンを取り仕切った、ヨハン・シュトラウス一家の独占的な?仕事ぶりを一寸覗きました。きっと今なら公取委が乗り出して演奏料の談合が・・・なんて新聞を賑わしたかも知れませんよ。(ヨハンさん冗談冗談!) 私が関連した仕事でギヤードモーターを使うケースが多く有りました。ギヤ比を大きく得るのに向いている「遊星ギヤー」系の商品にサイクロ減速機というのがあります。確か住友重機械のネーミングだと思いますが、その原理でサイクロイドという仕組みや軌跡はかなり古くから使われていたようで、ガリレオが命名したそうです。当時の技術として歯車などに応用されていたのだろうと思います。そして何とシュトラウスのワルツにあるのです。 Cycloiden,Walzer,Op.207(13分ほど)です。早々見れないものを新春サービスで特別お見せしましょう。下の写真でそのピアノ演奏楽譜のコピーです。表紙の絵は鮮明でありませんが、工業技術に関する物が見て取れます。学生たちが使ったであろう定規、コンパス、測量儀、地球儀、それに帆つき蒸気船、灯台、蒸気機関車、高炉などです。 久しぶりに昭和35年第54版、木村、相良独和辞典を引っ張り出してきました。表紙の円の中、上から「サイクロイデン・ワルツ・ピアノフォルテの為の・?・?・工学部聴講学生・ウィーンの大学・恭しく・?・フォン・ヨハン・シュトラウス」でした。 次が楽譜のコピーですが何故かハイファイ堂の葉書が舞い降りています。 |
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おまけ: ◆間違ったらごめんなさい!方言ならびに規格調査研究の結果、図のような成果を得ました。解り良いでっしょ! 楽典の解る方合否を教えてください。さもないと私はWSOつきになってしまいます。 付録? walze:円筒、ローラー、遍歴 walzen:圧延、ならす、転がる、回る Walzer:舞曲ワルツ 付録? Herren und Damen:紳士ならびに淑女=シニョール、シニョーラ=レディース&ジェントルマン 何が解りますか? ★エレベーター乗り降り ★雇用均等? ★第2次世界・・ |