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こんにちは、こんばんは レコード店の片山です。 レコード・コレクターズ誌では二ヶ月間にわたって「シティポップ 1973-1979」「シティポップ 1980-1989」の特集がありました。 そう、ここ数年、日本のシティポップの評価が著しく上がっています。 色々の理由が推測されますが 1. 海外での需要がかなり高まっている 2. 現在の日本アーティスト(Yogee New Waves, cero など)が、シティポップの影響を垣間見せる作品を発表 3.「和モノ」としてクラブDJが再評価 ※全て諸説あります。 様々なことが重なり、リアルタイムのリスナーよりもそれ以外のリスナーの需要や興味が高まっているように思います。 そこで今回は番外編ということで、ガイドブックではあまり取り上げられていない作品を紹介してみようと思います。 |
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テーマは「シティポップの先駆作」 |
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つまりシティポップの全盛期とされる70年代後半の作品ではなく、それ以前の、フォークや歌謡曲路線でありながらシティポップっぽいサウンドを鳴らしていた作品を紹介します。 ※ちなみにシティポップについては過去にメルマガで説明しましたので、そちらも読んで頂けると幸いです。 ハイファイ堂メールマガジン第710号 「海外からみたシティポップ 」 www.hifido.co.jp/merumaga/2f/170908/index.html それなりにシティポップを聴いてきて、次にどれを聴こうかなと思っているリスナーには面白い作品だと思いますので気になったら聴いてみてください。 それでは「シティポップの先駆作」いきましょう。 |
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◆銀河鉄道 (1973年作) このシティポップ再評価の前、2000年代ぐらいに「喫茶ロック」という再評価ムーヴメントもありました。 これはサニーデイ・サービス、くるり、キリンジ、空気公団、といったバンド達が70年代フォークロックを彷彿させる作品をリリースし、はっぴいえんどや細野晴臣など70年代初期のフォークロックが再評価され、純喫茶でかかっているような音楽、純喫茶に似合う音楽、というところ(諸説あります)から「喫茶ロック」としていくつかのCDコンピレーションや喫茶ロックとされる作品の再発などがリリースされました。 その中の目玉再発とされたのが本作、銀河鉄道というバンドのファーストアルバムです。 このバンドは正に「はっぴいえんどチルドレン」ともいえるはっぴいえんどを彷彿させるフォークロック・サウンドを展開しています、いやそれ以上に洋楽アーティストの影響を強く打ち出したサウンドなのがいま聴いてもかなり衝撃なのですが、しかも演奏当時高校生バンドだったというのだからさらに衝撃であります。 ジェイムス・テイラーやエリック・カズといったフォークでありながらファンキーなサウンドを持ったアーティ ストの影響を強く感じることができるサウンドで、シティポップとまでは言い切れないがほどよく洗練されたアレンジが光ります。 なんといってもボーカルがサニーデイ・サービスの曽我部さんとそっくりといった所も高ポイントではないでしょうか。曲によってはサニーデイ・サービスの曲と間違えそうになるほどそっくりな曲も多数あります。 はっぴいえんどファンやサニーデイサービスファンはもちろん、フォーキーなシティポップを聴きたい方はお薦めします。 |
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◆寺田十三夫 / 雨上がりの街 (1973年作) 日本のシティポップは日本独自の歌詞世界と洋楽からの影響をどれだけうまくミックスさせるかといった所も重要で、そういった意味では本作は洋楽の影響をうまくミックスできた、個人的にも再評価を熱望している作品のひとつです。 洋楽のウェストコースト・ロックを強く感じさせるアコースティック・ロックが主体で、アコギのカッティングを多用しウネるようなベースライン、疾走する 16ビート・ドラム、つまりブルーアイド・ソウルぽさもあり、 かなりグルーヴィな作品です。 中でも「路面電車」はタイトュン・アップなカッティングがかっこいい フォーキー・レアグルーヴともいえるハイスピード・キラーグルーヴィ・チューンでたまりません。 早すぎたシティポップともいえるファンキー・チューン「ロスアンジェルス」「思い出してくれたら」、メロウなエレピ・ミドル「あなたに逢えて」、ホンキートンクな「そっとあなたを」、などなど聴きどころも満載。 多彩でありながらアルバム1枚通して聴けるハイレベルな作品なので是非探して聴いてみてください。 |
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◆沢チエ / 23 (1974年作) シティポップの基盤を作ったとされる細野晴臣率いる最重要バンド「ティン・パン・アレー」 その前身バンドともいえる「キャラメル・ママ」が参加、 細野晴臣、林立夫、鈴木茂、そして高中正義、しかもシュガー・ベイブがコーラス参加という凄すぎるメンバーでありながらガイドブックにあまり紹介されず、埋もれがちの隠れ名盤とされているのが本作。 「歌謡曲+ティン・パン・アレー」といったサウンド、つまり同時期ぐらいにリリースされいまだ高人気な「雪村いづみ/スーパー・ジェネレーション(1974年作)」と「いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー/アワー・コネクション(1977年作)」といった図式と同じタイプである。 この辺りが好きであればもちろんお薦めなのですが、実は本作は上記作品以上にシティポップ寄り、しかもギターが時折歪んでいたりロックな仕上がりだったりします。 ポップな曲などは荒井由実時代のサウンドにも近いような感触もありますよ。 優しい美声で歌謡曲っぽい歌いまわし、しかしバックは早すぎたシティポップともいえる洗練されたお洒落なサウンド、かつロックぽい曲もあったりする。 埋もれさせるにも本当に勿体ない逸品だと断言できます。 中でも荒井由実曲に似たメロウな「かもめ」、シュガーベイブぽい「ジャニスのように」、跳ねるグルーヴィ・ナンバー「長すぎた一日」、鈴木茂のバンドワゴンぽいジャパニーズ・ファンク「カレイド・スコープ」、などなど これぞ【早すぎたシティポップ】といえるもっと再評価されるべき名盤だと思います。 |
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◆佐藤博 / 青空 (1976年作) 最後に、個人的に大好きな作品でどうしても紹介したい作品なので紹介させてください。 同名でキーボート・プレイヤーで佐藤博さんがいますが、その方とは全く別の方です。 フォークなソングライターぽい作品かな?と思いきや実は坂本龍一が参加しており、彼の手腕ゆえかフォークぽさの中にもピアノ&エレピやストリングスなどがいいバランスで組み込まれた洗練され洋楽ナイズドされたお洒落なサウンド、つまりシティポップなサウンドが鳴っています。 カントリー・フォークもかなり強いですが、彼の人柄を感じさせる下町感溢れる陽気な雰囲気、そして決して上手いとは言い難い歌唱力なのですが、むしろそこが良くて。 温かみのあるほっこりする声質と歌い方がとても癒されます。 ギャップなのでしょうか、ほのぼのフォーク&カントリー曲たちの中に挟みこまれるプレ・シティポップともいえるお洒落メロウな「青空」「わたしの自転車」「忘れ物」などのナンバーがタメ息が出るほど素晴らしいのです。 たとえば、松任谷正隆「夜の旅人」や、洋楽だったらジェイムス・テイラー「ゴリラ」、ニック・デカロ「イタリアン・グラフィティ」、マイケル・フランクス「アート・オブ・ティー」辺りの優しくて温かくてメロウな作品が好きならきっと気に入っていただけるはずです。 ひとりでも多くの方に聴いていただきたいマイ・フェヴァリット大名盤です。 |
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いかがだったでしょうか。 もし気になる作品がありましたら聴いてくれたら幸いです。 最後までお読みくださり、ありがとうございました。 |
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